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嫉妬ノ化身

Last-modified: 2017-07-23 (日) 16:29:26

概要

開催期間

2017年6月16日16:00 ~7月6日14:59

概要

攻略

1節 見知ラヌ森

  • 終了時
    森は私にとって、母のような存在で
    あった。折り重なる枝と茂る草花が
    そよ風に揺蕩い、私を慈しむように
    抱きしめてくれる。私にとって
    心落ち着く場所は、最早森以外に
    なかった。「ここはどこ?
    早く戻らなくては……」
    帰る場所ならある。だが、そこに
    居場所と言えるような温もりはない。
    この森で意識を取り戻すなり
    前に行われた行為を思い出し、
    背筋が凍る。虚ろな目。
    意識とは裏腹に前へと進む足。
    長年植え付けられた恐怖心が
    自然とそうさせる。
    「帰らないと。帰らないと。
    帰らないと。帰らないと。」
    口から零れる言葉に意識
    は宿っていない。

2節 黒キ獣

  • 終了時
    怪しく騒めく茂み。
    そこからに染み出してきたのは、
    黒き怪物。獣ではないことは明らかだ。
    文字通り『染み出してきた』のだから
    納得するしかない。
    起き抜けの頭が急に鮮明になり、
    今がどういった状態なのか、
    自覚した。
    「私が今いる場所は、元いた世界
    とは異なる場所だ」
    そう自覚させるには十分過ぎる
    情報が並べられていた。
    そんな事はどうでもよい。
    今はただ、目の前の脅威を
    打ち払うのみ。拳を
    強く握りしめた……。

3節 憧憬トノ邂逅

  • 終了時
    振り返るとそこに居たのは、人間。
    ようやく出会えた人間。
    私は己の境遇を説明し、
    「どこか近くの町へと案内を
    頼めないか?」
    そう依頼しようとした瞬間であった。
    私を射抜いたのは、畏怖と鋭さを
    湛えた眼光であった。
    そこには、悍ましい怪物と
    対峙するような敵意が含まれていた。
    「早く、敵意がないことを、
    伝えなくては……」
    あぁ。そうか。先ほど私だって
    躊躇わなかったではないか。
    納得すると同時に、ようやく
    出会えた人間は躊躇せず、
    私を殺さんと襲い掛かってきた。
    

4節 水面ニ映ル異形

  • 終了時
    息も絶え絶えにたどり着いた湖畔。
    背中にこびりついた脂汗を
    洗い流そうと、水面に触れる。
    「これが……私、なの?」
    自分の声がひどく震えているのが
    分かった。自分の歯が、
    カタカタと音を立てている。
    得たいのしれない恐怖が私を包んだ。
    恐怖には、慣れている。
    それが命の危機に瀕するような
    状況に晒されることも珍しくはない。
    痛みにも、慣れている。
    それに屈し、自分の意思でない行動
    をとらされる事もよくあることだ。
    だが、こんな事には慣れていない。
    自分の容姿がある日突然変る。
    そんな怪奇な現象など。
    

5節 回想スル乙女

  • 終了時
    ……混濁する意識。
    下卑た男の矯声が木霊する暗い部屋。
    そこが私の生きる場所。
    物心つくより前から、
    そこが私の帰る家になっていた。
    両親の姿は思い出せない。
    不自然に甘い香の香りに、
    鼻は麻痺し、媚薬交じりの
    味のしない食事に舌は麻痺した。
    命令に背けば、暴力を奮われ、
    指名を増やすため、媚び続けた。
    暗く閉ざされた世界で、
    私は生ける傀儡と
    化していた。

6節 乙女ノ抱ク憧憬

  • 終了時
    壊れた人形が処分される叫びが
    鼓膜を揺さぶる。
    自我を保てず、狂った笑いが
    昼夜問わず響き渡る。
    心が壊れる者が大半を占める環境
    において、私がそうならなかったのは
    拠り所があったからに他ならない。
    どれだけ躰が汚されようとも、
    心までは汚せない。
    辛いときは決まって不遇な少女が
    救われる物語を反芻した。
    想いは馳せる。焦がれた憧憬。
    叶わなかった夢へと……。
    シンデレラ。それが私の憧れであり
    希望の全てであった

7節 姫トナル決意

  • 終了時
    頬を抓る痛みに、
    意識が呼び戻される。
    痛みは感じる。大丈夫。私はまだ
    正気だ。どうせいつも見る悪夢に
    違いない。暖かな日差しとともに、
    そよぐ柔風が頬を撫ぜる。
    覚醒した意識と共に見渡した世界は、
    焦がれ続けた物語の世界が
    広がっていた……。
    神様がいるのであれば、浴びせたい
    言葉は罵声だと思っていたが
    今日ばかりは違っていた。
    どうせ、いつかは覚める夢ならば。
    叶わなかった夢を叶えよう。
    私はいつも夢見ていた姫となるため、
    家臣を集めることにした。

8節 姫ガ抱ク想イ

  • 終了時
    「ドウシタノ?泣イテイルヨ」
    気づけば、足元で蠢く蛇の群れ。
    現れたのは王子様でなくとも
    落胆はしなかった。嫉妬に囚われた
    私に相応しいのはこの醜い蛇たちだ。
    それに、穢れ切った私に求婚する
    愚かな王子などこっちから
    願い下げだ。初めて会う私よりも
    身分の低い者。
    ようやく他者に向けることができた
    蔑むような目線。あぁ。ようやく
    思い出した。私は死んだのだ。
    私を娼館から買い取ったのは王子様
    ではなく歪んだ性癖をもった只の
    商人であった。彼は私を精一杯
    愛した後、蔑むような視線を向け。
    私に覆いかぶさり、首の骨
    を砕いたのだ。

9節 慟哭スル灰被リ

  • 最終wave
    嫉妬の蛇ドリゼラ:ドウシテ私ジャ
    ナカッタノ?
    嫉妬の蛇ドリゼラ:ドウシテ
    コンナニ不幸ナノ?
    嫉妬の蛇ドリゼラ:ズルイ、ズルイ。
    嫉妬の蛇ドリゼラ:美シサダケデ
    救ワレタ、シンデレラ。
    嫉妬の蛇ドリゼラ:貴方ガ、憎イ。
  • 終了時
    「ドウシテ私ニ迎えガ
    来なかっタノ。」
    憎い。憎い。憎い。憎い。
    憎い。憎い。憎い。憎い。
    「ドウシテ私の美しい容姿ハ
    奪われたノ。」
    憎い。憎い。憎い。憎い。
    憎い。憎い。憎い。憎い。
    「アァ……シンデレラ。」
    憎い。憎い。憎い。
    「美しければ、
    イズレ救ワレルハズデショウ?」
    憎い。憎い。憎い。憎い。
    憎い。憎い。愛しい……。
    背反する想いが、
    胸の中で攪拌される。
    再び現れた死神の、優しい手招き。
    その視線に含まれた憐憫は
    勝者の余裕が漂っていた……。

10節 憧憬ノ果テニ

  • 最終wave
    嫉妬の蛇ドリゼラ:コノ世界ニ
    希望ナドナイ
    嫉妬の蛇ドリゼラ:何処マデモ続ク
    暗イ闇ダケ
    嫉妬の蛇ドリゼラ:アァ……
    幸セヲ、知リタカッタ
  • 終了時
    はみ出た臓腑。脳は痛みを誤魔化す
    ため麻薬を分泌する。
    千切れた四肢。残る力を振り絞り
    光を求め、手を伸ばす。
    「ねぇ……いっそのこと。
    私を、殺して……」
    生きて他者に蹂躙される人生を
    過ごし。夢にても他者に利用される
    くらいならば。この体を縛る業苦
    から解放されることを求めた。
    「下僕となるならば、
    生かしてやる。」
    そう聞こえた気がしたが
    私には届かない。聞こえない、
    微かに揺れる唇が紡ぐ返答は
    宛先も無く揺蕩う。
    それは限りない虚無に
    溶けて消えた……。
 
 

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